ドラゴンボール超の感想
全話見ての感想になります。辛口意見・ネタバレを含みます。公式資料はほぼ未読です。総評
超は原案に先生が絡んでいるとは言え、立場は二次創作に限りなく近いと思いました。例えば17号。原作で「ピッコロの猛攻を17号がバリアーで防ぐ」シーンがあったためか、超の17号はバリアーを何枚も重ねてみたり、 バリアーで拳を覆ったりするなど、バリアーと言う技を発展させて使うようになった。でも、たぶん先生だったら違うベクトルの新しい必殺技を用意してあげたと思う。 ベジータにはギャリック砲、ビッグバンアタック、ファイナルフラッシュなど、彼を象徴する技がいくつかあるけど、原作では一回ずつしか使われてないんですよね。
オリジナルの作者だったら気兼ねなく新しい必殺技を出せるけど、 制作を委任されたスタッフは、まずは原作を尊重して、そこから膨らませようと試みる。 この方向性の違いが超の限界なんだと思いました。
DBの何が面白いかと言うと、先生の描くアクションに尽きると思います。 先生が描くから、スッと構えるワンシーンですらカッコよくなる。 ただ相手を蹴り上げると言った、何気ない格闘シーンも一つ一つが凄まじい迫力に満ちている。これは誰が真似しても先生には及ばない。だからこそ世界中で長年に渡って愛されてるんだと思う。
超は先生が原案を出した部分もあるけど、先生が描いた訳ではないので印象に残るアクションシーンはかなり減ってしまったと思う。 「極意に目覚めたばかりの悟空がジレンの眼前に迫り、睨みつける」シーンなど名場面もあるにはあったけど、先生らしくはなかった。 360度グルリとカメラが回る演出は漫画的ではなかったので、別の作品のように感じてしまいました。
原作のDBが最高に面白かったのでファンはそれを期待してしまうけど超は及ばなかった。これは超のスタッフが悪い訳ではない。 スタッフもかなり頑張ったと思う。一部に出来が悪いエピソードもあったけど、それは昔のアニオリやGTにもあったし超が特別酷いとは思わない。 前半は破壊神ビルスがストーリーに大きく幅を効かせてしまい、フリーザ復活と言うイベントですら神々の手の平で行われているような気がして、イマイチ熱中できない部分もあった。 けれど後半からは「自分より強い敵に、限界を超えて立ち向かう」熱いバトル路線が復活できて、とても良かったと思う。 ただ「鳥山先生が描いたら違っただろうな」と言う考えは常についてまわり、それを払拭できるのは先生本人しかいないのです。
超サイヤ人ゴッド
初期の赤ゴッドのデザインはとても好みでした。それだけに超ブルーの超1の焼き増しのようなデザインは、いただけなかったです。そもそも「超サイヤ人ゴッドの状態から、さらに超サイヤ人になる」と言う ブルーの訳の分からない説明は未だに腑に落ちてません。個人的には赤ゴッドが不評だったからテコ入れしちゃったんだろうなと言う印象です。髪型や見た目を派手にするのはGTの超4で完成されたと思うので、あれ以上ゴチャゴチャしてもしょうがないと思う。逆にスッキリさせたのは、本当に凄いアイディアだったと思うんです。
何より先生だったら超1とシルエットが酷似するようなデザインを描くか？と疑問に思う訳です。トーンを貼ることが嫌いな先生が、トーンを使わなければ区別できないような事をするんだろうかと…。そう思ってたけど、近年発表された「銀河パトロール ジャコ」にてグレースケールを使ってましたね。
萌え
ちょっと批判が続いたので楽しかった話題も。なんといっても超はトラマイですね。本来、愛しあうはずがなかった二人が時空を超えて結ばれていく展開はとても萌えました。現マイが未トラに一目惚れする展開は、現トラには悪いけど可愛かった。未トラマイは、絶望的な状況の中でお互いの存在が何よりも支えになったんだろうなと思うと、胸がいっぱいです。キスシーンもありましたね。DBでキスが見れるとは思わなかったなぁ。未来編の結末を思うと、どうしても悲しくなってしまいますけど…。トランクスにここまで試練を課さなくても良かったっと思う。正直不憫でならないけど、マイちゃんが隣にいてくれたので救いはあったと思います。
クリリンと18号は、原作やGTには無かった甘々な18号だったり、カメハウスから離れて家族水入らずで生活する様子が見れて楽しかったです。クリリンが再び頭を丸めた時に思わず「かっこいい」と漏らしてしまう18号さんは乙女ですね。しかし「やっぱクリリンなんだよな」と普段は呆れつつも、大切に思ってるGTの18号の方が彼女らしいかなと思ったりもします。
ピッコロさんがめちゃくちゃ子供思いで、優しいおじさんになっててホッコリしました。パンちゃんの揺り籠を足で揺らすの萌えました。たまに下界に降りて悟飯宅に行ったりしてるとか、本当にこういう場面は今まで描かれたことが無かったので超には感謝してます。超は日常の描写をたくさん入れてくれて、とても良かったと思う。
DBでは珍しい「思想で悪を成す」敵・ザマスの存在は新しくてよかった。バニープーアルは本当にかわいくて何度も再生をリピートしてしまった。思い返したら、だんだんまとまらなくなって来たのでひとまず終わります。