ジャック・アトラスの戦術について

2021年12月 記


『5D's』を見ていた時に、猛烈に違和感を覚えた事が一つあって、それは「いつのまにかジャックがパワー偏重のデュエリストになっていた」ことです。間違いなく最初はそんなデュエリストではなかったです。


キングとして君臨していた頃のジャックは、相手の心理を話術で巧みに揺さぶり、様々な種類のカードを駆使して絡め取るという戦術で戦っていました。どちらかといえば歴代デュエリストの中でも、知性的なデュエリストだったと思います。


なんでパワー偏重になってしまったのか?を冷静に考えてみました。

一番のきっかけは、シティに現れた不動遊星とのデュエルだと思います。ここでもジャックは王者然と振る舞い、ゆさぶりをかけてデュエルを優位に進めますが、最終的には中断となります。ただの中断ではなく、実質的には敗北していたという苦い戦いです。
さらにフォーチュンカップ戦で遊星に敗北し、自分を見つめ直していく中で、キングではなくジャックとして立ち直っていきます。その心境の変化がデュエルにも影響し、今までの自分を変えようとしていったのではないかと思います。

また、単純にそれまでの戦術は格下の相手と戦うことを前提としており、そもそも揺さぶりが通用しなくなったというのもあると思います。

物語の都合で考えてしまうと、仲間の一人に「トリックスター」を名乗るクロウが加わったので、キャラクターのカラーをはっきりさせようとパワー重視に寄せたのではないかと思います。

パワーに身を任せたジャックが、対アンドレ(チーム・ユニコーン)戦では徹底的に対策されて負けてしまう展開などは少々もどかしかったのですが、最終的には「スカーレッドノヴァ」というさらなるパワーとタクティクスを兼ね備えて戻ってきてくれました。それが最終回直前というのはちょっと遅すぎる気はしましたけど、単なるパワーデッキで終わらなかったのは本当によかったです。


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