コードギアス 反逆のルルーシュ III 皇道 感想

5月26日に公開されたギアスの劇場版の感想。
3しか見てませんが、1~2の情報も混じってます。ネタバレ注意。
見に行った理由はゼロレクイエムを大画面で見たかったからです。

カットと声優について

カットの大半はTV版がベースなので、所々に画面や線の粗さは感じる物の、内容はよく精査され、工夫して編集されていると言う印象。 新規カットは少ないながらも、進化した映像技術と劇場版ならではの贅沢さを感じさせ、特別目を引く美しさでした。

演技は全て撮り下ろしと言う事で、場面によっては違いを如実に感じたり、新鮮に聞こえる場面も多々ありました。 玉城役は逝去された田中一成さんに変わって檜山修之さんが担当してましたが、演技はしっかり寄せており、十分に代役を努めてると感じました。 天子役の子役はすでに芸能界を引退という事で、代わりに須藤沙織さん。知らない方だったけど此方も良かった。



ストーリーについて

まず一番はシャーリーが生きていたと言う事ですね。前2作を見ていなかったけど、生きていると言う事は事前に調べてから見ました。 しかし、ブリタニアとの総力戦が続くため、他の生徒会メンバーと同様に蚊帳の外と言った状況が続きます。 そんな中、フレイヤで消息不明になっていたミレイの無事を、リヴァルと一緒に喜ぶ場面はじんわり感動しました。 「生きていて良かった」と言う台詞に、ミレイだけでなくシャーリーまで含ませたのは素晴らしい演出でした。

シャーリーに関しては、ゼロが皇帝となってからルルーシュとC.C.がそれぞれ接触をしていて いずれも断片的な描写に終わってましたが、恐らく続編への布石なのでしょう。 結果としてTV版では終幕を飾るエピソードなのに、消化不良に感じてしまう原因になってしまいました。残念です。

どうしても分からない事が増えたので、調べました。「そもそもシャーリーはゼロのせいで父親を失っていない。ルルーシュの正体を暴こうとするヴィレッタを撃ってもいない(ヴィレッタはディートハルトが撃った)。ルルーシュに記憶を消されていない。」と言う状況だったそうですね。
ルルーシュの悪事を知って動揺しながらもそれでも信じようとするシャーリー。そんな優しさを裏切って記憶を改ざんする事で罪悪感を感じ、距離を取らざるを得なくなるルルーシュ。と言うのが、TV版の彼らのエピソードでしたが、完全に別物になってますね。劇場版だとシャーリーは普通の女の子と言う一面がより強調されてるように思いました。そんな彼女が続編で何をするのか、どういう役割を与えられるのか、全く予想ができません。

新しいカットのシャーリーは可愛かったけど、EDでカレンがルルーシュを振り返るシーンに続いて、シャーリーまでもがルルーシュを振り返る場面は蛇足だと思いました。 あそこの人数を増やすと、じゃあナナリーやスザクにも語らせようよと次々に出てキリが無い。あえてカレン一人にだけ語らせるのが良かったのにと思います。

ゼロレクイエム決行では台詞がカットされていたり、BGMの使い方が違っていたけどTV版の方が個人的には好きです。全てが終り、儚げなBGMとナナリーの悲痛な叫びが重なって響く、TV版の演出の方が好きです。劇場版はあまり涙腺を刺激しなかったけど、後でTV版見てみたら同じ内容なのにウルウルしてしまった。

TV版より好きな場面はロロの自己犠牲ですね。劇場版のロロはシャーリーを殺していないから、ルルーシュが彼に冷たく当たる理由はだいぶ薄れている。 それにも関わらず酷い事を言われたルルーシュを守ろうとしてギアスを酷使するんだから、彼は何があってもルルーシュを救うんだなぁと思う。



ZERO:RESURRECTION

ラストの「ゼロ復活」の報を見てびっくりしたんですが、続編自体は16年から監督が口にしていたそうで熱心なファンの方にとっては今さらだったんでしょうね。でもびっくりしましたよ。

「世界中の憎悪を自分に向させけて死ぬ事で、他人の人生を操ってきた罪を清算した」ことがコードギアスの物語であり、ルルーシュのけじめだったと思います。 その原点が妹を救いたいと言う純粋な優しさだったからこそ、スザクもナナリーも全てを受け入れた。ルルーシュ個人だけ見れば、これ以上なく綺麗に完結してるので、復活には複雑な心境です。 Cの世界で全てが一つになる事を否定し、死者の魂に触れられる事も否定したのは何だったのか。あるいはCの世界の話なのかも知れないけど。

ただラストで語られる通り、TV版だと結局C.C.は何も達成していない。ただルルーシュを失っただけなので、彼女の物語に終止符を打たせると言う話であるならば良いと思います。 そのためのルルーシュ復活であるならば、ぜひ見てみたいですね。





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