GGダイジェストコミックス 感想 その2

2021年5月記


前回の続きです。



第四章


『GGX』。本編1ページ目、ディズィーのリストの隣にはDr.パラダイムがサービスで描かれています。さらに右隣のサーヴァントのゲロッパは50W$と格安の懸賞金。もっと突っ込むと、「ジャスティス亡きあとも動き続けているギア」が、ディズィー・パラダイム・ゲロッパと3人もいる事になっています。その中からディズィーのリストだけを取っていくのは、なかなかシュールです。

ページをめくると、悪魔の棲む地の奥深くにワープ。ゲームではCPU戦を8回も勝ち上がる必要があります。テスタメントはソルに全く歯が立ちません。

姿を表したディズィーに、アリアの面影を見るソル。ディズィーは「ギアには生きる価値がありませんか?」とソルに問います。前章のアリアとの問答があるおかげで、この台詞の重さがさらに増したように感じました。「もう誰も傷つけたくない」と語る割に、ゲームでは容赦のない飛び道具の嵐というディズィーですが、漫画ではネクロの暴走に終始引っ張られるといった形で戦闘が行われ、ディズィーの性格が尊重されていました。ウンディーネは吹き飛ばされたディズィーを支えたりと、あくまでサポートに徹しているようです。

暴走したネクロが「ガンマレイ」のモーション。ジャスティスとの死闘を思い出したソルは、ようやく二人に繋がりがあると気づいたみたいです。

戦いが終わり、「殺して」と泣きながらつぶやくディズィーに、ソルは封炎剣を振り下ろそうとしますが、カイが割って入ります。ディズィーの姿を見て、「ギアが必ずしも悪ではないと確信した」というカイ。自分の信念を持ち、ソルにまっすぐ立ち向かったカイを認めたのか、ソルは「坊や」ではなく「カイ」と呼びます。ディズィーとカイの出会いを整理したエピソードだと思っていたのですが、ソルとカイの関係性も変わったような印象を受けました。

カイに手を引かれ、森を去ろうとするディズィーを見送るテスタメント。カイに釘を刺す様子はお父さんみたいですね。ディズィーが別れを言おうとしますが、すでに黙って去った後でした。

「ほとぼりが冷めるまで」という条件付きで、ディズィーはジェリーフィッシュ団が預かる事になりました。カイが、どのタイミングでディズィーを迎える決心が着いたのかが、少々気になるところです。



第五章

『GG2』。いきなりバックヤードがとうとか説明が始まり、知らない人はついていけるのか心配です。ここで世界観が大きく変わります。今のギルティギアの基盤となっているので、28ページと大幅なページ増で描かれてますが、週刊連載の1-2話分と考えると短いと思います。

『XX』は省かれました。ソルとカイのストーリーだけを追うと、『XX』で起こった事はディズィーとの仲が進展したことと、ソルとカイが精神的に対等になったことが主な出来事ですが、どちらも前章の内容に織り込んであります。イノやクロウの大暴れは、ストーリー的には影響がない出来事なので、しょうがないでしょう。

言うことを聞かないシンを後ろから蹴り飛ばすソル。ファンには慣れっこですが、人から預かった子供を手加減しているとはいえ日常的に殴ってる訳で、凄い光景だと思います。まぁソルは武術というか、この世界で生きていく上での師匠みたいなもんだし、虐待ではないと思います。

人の気配が無くなった街をウロウロしていると、ヴァレンタインが登場。またしても出てくる「アリア」のそっくりさんに激しく動揺するソル。

城ではカイが自分に封印を施していましたが、イズナとパラダイムのおかげで無事に救出されました。ゲームではこの二人の出会いや、カイの封印などは凄くしっかり描写されてたのですが、わずか3Pとあっさりです。

その後もゲーム中の出来事を、軽快な速度で追っていきます。読んでいて改めて思うんですが、『GG2』の服のデザインは細かすぎて漫画として描くのは凄く大変そうですね。ソルとシンの親子…というか孫と爺さんの喧嘩など、シンを中心とした人間関係は、やや厚めに書かれてるのが印象的でした。

終盤、計画が失敗に終わったヴァレンタインは自暴自棄となり、要塞みたいな形態に変身。めちゃくちゃ描くのが大変そう。ソルは最初からドラゴンインストールで迎え撃ちます。線がハッキリとした漫画のタッチで描かれたドラゴンインストールは新鮮で良いです。

最後のあの男の台詞、「彼女は僕も君も殺したんだ」。アリアを救おうとして、あの男は親友に敵対せざるを得なかった訳だし、ソルの方も100年間さまよい続ける事になった。結果として、元の科学者である二人の人生が完全に壊れてしまった、という事なのかな。

ソルの帰還を騒がしくも迎える仲間たちを見て、「悪くはねぇ」と感じるソル。あの男の真意を理解できないまま、次章へ続きます。



エンディング

唐突にエンディングになりました。冒頭のあの男とレイヴンの会話が『GG2』ゲーム本編の本当のラストシーンだったと記憶しています。

『XrdSIGN』の印象的なシーンの一つである、ラムレザルの宣戦布告を持って終局となります。ここは、前回のヴァレンタインが何度かの戦いや挫折を経て、ようやく感情を爆発させたのに対して、今回のヴァレンタインは何も無くても笑えるんだという、驚きがあるシーンでした。ただ、「未来を悲観しろ」という台詞のインパクトが強すぎますね。本当に面白い台詞だと思います。





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