レベレーター エピソードモード ミリアさん




感想

ようやく、彼女のXrdに至るまでの心境が語られて、スッキリしました。 SIGNをプレイしてから1年半です。SIGNのアーケードをプレイして以降、 彼女がどんな暮らしをしていたか、毎日妄想していたので・・・。
長かった。

思った通り、優しい人々に囲まれて平穏な暮らしを営んでいたようで嬉しかったです。 賞金首を追っかけたりしてなくて良かった。戦災孤児の面倒を見てたりとかも妄想してました。

ミリアさんの心に穴を開けていたのはザトーの存在が第一だと思っていたのですが、 そこは思い違いでしたね。 多分、これまでの戦いでいくらか整理を付けられたのかなぁと思います・・・。


SIGNのアーケードモードを見た時に、「あの二人がああして出会い、刃を向けること無く、 ただ話をして別れた」と言う状況から、少しは落ち着いたのだろうなとは思っていました。 けれど、だとしたらヴァステッジでザトーの遺体を探したり、ザトー復活の報を聞いて 真っ先に駆けつけたのは何だったのでしょうかね。状況次第では再び殺す覚悟もあったと思います。 多分、それを自分が第一に確認する必要があったんでしょう。

個人的に、もう少し二人の関係性については踏み込んだ猫写が欲しいのですが、 Xrdに入ってからの展開が早いので、まさかのスルーも有りそうで正直言うと怖い。 その場合はXXまでで決着したと捉えるべきなのか。

彼女なりにアサシンの事を考えていて、 求め、掴んだ自由=平穏な日常に、どうしようもない違和感をずっと感じていた・・・。 切なすぎるんですが。「アサシンに引退はない」とはこういう意味も含んでいるのでしょうか。 ミリアさんは表の世界を知っているからこそ、自由へのあこがれが強かったのだと思っていました。 (逆にヴェノムは表社会での生活を知らなかったからこそ、組織に居続けられる)。

組織で生活した時間は彼女に取って、かけがえの無い物だった。 そこに気づき、認めるだけの時間とゆとりが必要だったのでしょうかね。

サインで公表された年表に当てはめると、おそらくは十代後半のわずか5年間なんですよね。 とっくに精神の形成は出来てると思うのですが、初代設定(10歳の時には組織にいた)だと 組織が日常だったと振り返るのもおかしくはないかな。

人殺しへの抵抗感から自殺未遂を繰り返す(あるいはそう思う程に追い詰められる)、 自分を育ててくれた恩師と愛を育むも、ここに居ては自分がダメになると追い詰められて抜けだした と、こういうお話だったのだと思うのですが。 ザトーと居る時だけは、わずかに安らげる時間があったけど、 自分に殺人を宿命づけているのもまたザトーであるという矛盾。 そういう悩みをずっと抱えて、苦しかったんだと思っていました。 そういう日々が、普通=日常に思えてしまうって、凄い悲しくないですか。 つまりそれだけ組織で悩んでいた時間が、彼女の心の中で消えないキズになってるんでしょうね。

組織にいる前は戦災孤児みたいな状況で 落ち着いた生活が出来たのは組織が初めて、と言うのもそれはそれで切ないです。 それだったら組織が日常だと思ったのも、うなづける。


彼女の心情を纏めるのに一役買ったのがスレイヤーでした。ドラマCDと似た展開ですね。 ザトー相手だと、どうしても素直になれないし、 ヴェノムには自分の弱い所を見せたくないようですので(おそらくミリアさんのほうが立場も力も上のため)・・・。 お節介焼きと言いつつも、スレイヤーは彼女にとって良い教師役になってるように思います。

ミリアさんがアサシンに戻ると言い出したことは、何より衝撃的でした。 組織は数多くの危険を孕む場所で、彼女のメンタルが一度は崩壊しかけた場所です。 彼女の無事を願うがゆえに、組織から離れて欲しいと願ってきましたが ずっと悩んで、組織に戻ってきた。その覚悟を尊重したいと思います。 そして、最後の最後なのですが・・・。組織の改革自体は考えていましたが、 それをまさか彼女自身の手で行うとは・・・。 ものすごい衝撃が走りました。次期首領って・・・。その発想はなかったです。

しかし、ザトーが反対をしなかったら、ヴェノムも従うだろうし、案外すんなり行きそうなんですよね。 ヴェノムに限って言えば、ミリアさんの言う帰る場所と言うのは彼自身も望んでいるはずです。 一番の協力者になる可能性もあると思います(方針次第では一番の敵対者になる可能性も含んでいますが)。 後はそれを認めさせるだけの力が彼女に備わりさえすれば・・・。 足手まといと言われてしまいましたが、今後のストーリーでやはり戦いに赴くだろうと思います。 そして成長を遂げて行き、次期首領へ。ラストはザトーと戦って勝利して、認められて終わり? そういう方向に行っちゃうか。 各人に対する複雑な感情をクローズアップして盛り上げて欲しかったなぁと思うんですが、 それはX-XXで終了して、もう彼らにとっては、過去の事なんでしょうね。


彼女の口から罪と言う言葉が出たのは良かったなと思います。償う気あったんですね。 ミリアさんの動機ってとにかく自分のためでしたからね。 エディを倒すのもザトーのためと言うより、自分の気持ちに決着を付けるためと言う気持ちが強かったと思います。 他の誰かのために組織を居心地の良い物へ変える、これがXrdでの彼女の戦いなんですね。

組織と自分の気持ちに逃げずに戦うと言う展開は凄く良いですね。 10周年本で触れられていた、ミリアさんの強さが今後発揮されていく事を期待します。

ベッドマンに負けて、一番動揺していた時の彼女の言動を振り返ってみると やはり彼女は人に弱みを見せたくないタイプなのだなと。それをああいう口ぶりで誤魔化したんですね。

戦力差が思ったより大きかったのは意外でした。ザトーとミリアさん、もう少し近い立場だと思っていました、 だからこそのStill in the darkだと・・・。 ミリアさん曰く「前より強くなった」と言ってるし、エディと意思疎通が取れてザトーの強さが増したと言う感じでしょうか。

S スレイヤー
A ザトー
B ミリアさん
C ヴェノム(Bランクかも知れませんが、とにかくこの二人は格下)

と言う格付けが組織内で出来てしまった気がします。
ミリアさんでヴェノムに勝つと、戦術が回りくどすぎると批評が。逆はどうなんでしょう。

個人的にずっと気になっていた「そばにいさせて欲しい」の回答ですが、 レベレーターだと、こういうパラーバランスだったので 「しょうがないから勝ってあげる」 と言うセリフに変更されていましたね。

もうこのセリフ可愛すぎて・・・本当に可愛い。 この二人にはいちいち返事とか不要なんですね。 それ分かっててああいう風に言ったんだなザトーは。だからちょっと気に食わない感じ?



SIGNのエピソードモードを見た時はラストカットで鳥肌がたって、思わず身震い。感動がストレートに響いたのですが レベレーターはいろいろ衝撃が大きすぎて、後からジワジワと物語の余韻が広がっていく印象でした。

いまさらですが、お互いに感情をぶつけて傷つけ合う事が無くなったのは、嬉しくもあり、寂しくもあります。


8月頭にロケテで初めてこのエピソードを見た時は、本当にショックで プレイ直後、あてもなく周辺を一時間歩きまわり、しばらくはあまり寝付けなくてご飯も味がしませんでした。 そして、本当に色々考えさせられました。

Xrdのストーリーの着眼点はとても良いなぁと思っているのですが、 一部に設定をないがしろにしているところも見受けられるので 少し怖くもあります。とりあえず今後が楽しみです。



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